トヨタディーラーのお手本となるべきトヨタモビリティ東京で、コンプライアンスをガン無視した保険募集や個人情報の取り扱いがバレてしまい行政処分になりました

行政処分を受けたトヨタモビリティ東京とは
トヨタモビリティ東京はトヨタの完全子会社であり、東京都のトヨタおよびレクサスの販売を行っています
代表取締役社長の佐藤康彦は、トヨタ自動車で国内販売事業本部長および執行役員を歴任しています

立ち入り検査の背景
トヨタモビリティ東京は、2020年2月に高機能塗装・ボデーコートの未施工による2,000件を超える保険金の過大請求や、2021年9月の測定値を改竄する不正車検が多数発覚したことにより国土交通省から行政処分などの不祥事事件がありました
そこで金融庁は、トヨタモビリティ東京が保険代理店事業も兼業していることから立ち入り検査が行われました
行政処分の理由
1~4の理由から金融庁から行政処分となりました
- 経営陣が保険事業に関して「本業ではない」との意識があり、ガバナンス体制に問題がある
- 保険募集に関する法令を遵守しておらず、監査部門が営業現場への調査や管理を行っていない
- 経営陣と担当部署が、法令で求められている個人情報を適切に管理するため体制や整備を怠っている
- 保険の苦情対応の方針・規程・マニュアルなどを整備しておらず。苦情対応の認識が不足している
その他にも保険金の不正請求について総点検が不十分であること、修理に使用していない部品代金を保険金として過大に請求するといった不正請求疑義事案が多数あり、再発防止策が不十分との判断です
行政処分の内容
保険契約者の保護のため、2025年1月24日に関東財務局からトヨタモビリティ東京に対して業務改善命令の行政処分となりました
トヨタモビリティ東京のリリース
トヨタモビリティ東京 関東財務局による業務改善命令の受領について(PDF)
弊社は保険業法等の遵守が求められる金融事業者としての認識が欠けており、必要な措置を講じていなかったこと、また兼業代理店である自動車販売会社として、保険業法等の趣旨に沿ったお客様視点での適切な保険事業が推進できておらず、その結果、保険事業の管理は店舗任せになっており、また、保険会社からの指導に依存しておりましたことが原因です。
こうした状況が続いてきたことを重く受け止めるとともに、深く反省しております。
まとめ
行政処分の理由を見ると、すべて当たり前のことにしか思えずこれをやらない経営陣や現場がどういう頭をしているのか理解に苦しみます
会社としてもコンプライアンスの欠片もないと考えるしかありません
金融庁(関東財務局)のリリースには「経営陣の保険事業は本業ではないとの意識」と非常に強調していることから保険業を軽視する監督官庁の怒りが感じ取れます
おそらくトヨタモビリティ東京のスタンスはクルマが売れればそれでよく、保険は副業や小遣い稼ぎのような認識だったのでしょう
ですが事業であればコンプライアンスを遵守するのが当たり前です
BtoCであれば絶対に起こしてはならない顧客の個人情報管理がいい加減で、会社は論外です
当たり前のことを行わないからこそ不正車検や保険金の水増し請求のような不正のオンパレードとなってしまうわけです
"正しいことを正しく推進部"のような頭の悪い部署名を付ける前にやることが山ほどあると思います
まずは小学生が考えた部署名をコンプライアンス推進室のような正しい名前にすることから始めるべきだと考えます
そもそも、このような社会に害悪をまき散らす会社は淘汰されるべきでしょう
